新型コロナウイルスの感染拡大は、芸術家にどれほど影響を及ぼしたのか。京都市とおおさか創造千島財団(大阪市)が文化芸術関係者にそれぞれアンケートを実施、6月に結果を公表した。どちらも約9割が公演や展示などの中止や延期があったと回答し、半数に近い個人が生計に影響が出ているとした。損失補塡(ほてん)や活動再開のための支援を求める切実な声が寄せられた。
京都市と京都芸術センターは5月7日~20日、京都市内に住居または活動拠点を持つ文化芸術関係者を対象にウェブと郵送で調査を実施し、個人1122件、団体・事業所280件の有効回答を得た。
個人の表現分野は美術40%、音楽23%、演劇・舞踊20%など。文化芸術活動だけで生計を立てている人は全体の50%で、伝統芸能・その他芸能では75%にのぼった。新型コロナによる収入の損失は個人が平均88万円で、困っていることを問うと81%が「創作発表の機会が失われた」と回答。「生計が立てられない」と答えた人も54%にのぼった。伝統芸能・その他芸能と音楽では6割を超えた。
団体・事業所は平均365万円の損失があり、業務内容別では照明、音響などの技術提供が2952万円と突出していた。全体の52%が「経営の見通しが立てられない」としたほか、「文化芸術活動への意欲が湧かない」「従業員や構成員のメンタルヘルスが不安」という回答もそれぞれ3割が選択し、精神的な影響の大きさを示した。
必要な支援を三つまで選ぶ設問では個人・団体いずれも、損失補塡▽活動再開・新規展開の資金▽文化芸術活動を活(い)かした機会・場づくり、の順に多かった。オンライン展開の支援が必要とした人は音楽と生活文化・国民娯楽では4割を超えた一方、演劇・舞踊とデザイン・建築・ファッションでは2割にとどまり、分野によってオンラインへの対応に差が見られた。
記述式回答では、市が導入した…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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