ギター、ベース、ドラムの王道ロックバンド編成に、尺八、箏、津軽三味線、和太鼓が融合した異色のサウンドで近年注目を集める「和楽器バンド」。最近は、新型コロナ下で苦しむ和楽器の危機を救おうと、募金活動もおこなってきた。
需要低迷と新型コロナの影響で、創業135年の三味線の最大手メーカー、東京和楽器が8月に廃業――。このニュースが報じられると、すぐに動いたのが、和楽器バンドだった。第1弾の募金活動で800万円あまりを集め、東京和楽器に寄付した。8月の廃業はいったん見送られたが、依然厳しい状況が続く。
募金を始めた理由について、箏のいぶくろ聖志は「和楽器を手にする機会がなくなってしまう。一度途絶えると、伝承してきた技術をよみがえらせるのは難しい。琴の演奏者として、手をこまねいて見ているのは違うと思った」と振り返る。リーダーでボーカルの鈴華ゆう子は「伝統楽器の需要が減る中では、根本的な解決にはならないが、そういう現実を知ってもらう一つのきっかけになればと思った」と話す。
詩吟の師範で、東京音楽大学ピ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル