コロナの象徴だったアクリル板、その後の姿は…アクセサリーにも変身

 新型コロナウイルス感染防止対策として飲食店などで使われてきたアクリル板のパーティションを、アクセサリーなど新たな製品に生まれ変わらせる取り組みが進んでいる。捨てる予定のものに手を加え、価値を高めた製品にする「アップサイクル」と呼ばれる手法だ。

独自の技術でアクセサリーに

 アクリル板の加工・デザインなどを手がけている「ツクリ」(東京都中央区)。アクリル板をアルコール消毒などで洗浄したあと、熱を加えて板状に加工していく。その板からレーザーカッターでデザインを切り出すと、ピアスやネックレスに生まれ変わった。

 加工の際、百貨店のディスプレーなどで使われていたカラフルなアクリル板や、鏡や木材の端材なども入れ込むことで、複雑な色合いも表現できる。

 もともと国内外の百貨店向けにアクリル板を使った装飾品や水族館の水槽デザインを手がけてきたが、コロナ禍で需要が激減した。一方で、アクリル板は飛沫(ひまつ)防止対策として多くの企業や飲食店で使われた。

 いずれ、大量に廃棄される。透明度や軽さ、光を当てたときの輝きを生かし、アクセサリーに再生させられないか――。そんな構想を練ってブランドを立ち上げ、アクリル板が不要になるタイミングを探っていた。5月、新型コロナが感染症法上の「5類」に引き下げられたタイミングで、回収の依頼が届き始めるようになった。

 仕上げの段階で繰り返し研磨することで「汚れなどの不安もなく使ってもらえる」と同社代表の井村文紀さん。「捨てるのではなく、商品として生かすことで、アクリル板の存在価値を高めたい」と話す。

■アクリル板と「楽しい」思い…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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