コロナ下で営業時間の短縮要請が続き、閉店も相次ぐ飲食業界だが、あえてこの時期に新規開店に踏み切る店がある。なぜこのタイミングなのか。3度目の緊急事態宣言が続く東京都内で、気になった店を訪ねた。
「これ、見て下さいよ。珍しくないですか」
13日の昼下がり。西武線の東大和市駅から徒歩3分の「遊歩堂珈琲(コーヒー)」(小平市)で、男性客がスマホを取り出した。水辺にカメとヘビが隣り合っている動画だった。店主で動物ライターの里中遊歩さん(55)は、「ひなたぼっこするスッポンと、カエルなんかを狙いにきたヘビだね。シマヘビかな」。男性を含む3人連れだけの店内に穏やかな時間が流れる。
東村山市出身の里中さんは、レコード会社や広告会社を経て、40歳の時にライターとして独立。主に野生動物に絞り、調査や執筆、野外イベント、メディア出演などをしてきたが、昨年、40ほどあったイベントがほぼキャンセルになった。
「ギスギスした心を柔らかく」
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カフェをオープンさせたのは2月13日。都内は2回目の緊急事態宣言中だった。「感染を拡大させちゃうかも」「大赤字かな」。不安は尽きなかったが、「ストレスだらけの日々でギスギスしてた心を柔らかくできる場所を」との思いが勝った。
きっかけは、昨秋に開催した…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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