音響機器メーカーのオーディオテクニカ(東京都町田市)が、新型コロナウイルスの感染拡大で発表の場に苦労する高校の吹奏楽部を応援する活動を始めた。プロ仕様の機材で高音質なコンサートを撮り、オンライン配信する「Power of Sound(音の力)」プロジェクトだ。その第1弾の演奏会映像が今春、投稿サイト「ユーチューブ」で公開された。
拡大する埼玉県の花咲徳栄高校吹奏楽部のコンサートを録画した映像=オーディオテクニカ提供
進め。生きる、音で。
こんなメッセージが躍る映像は、プロアーティストのミュージックビデオのような演出。コンサート用の白いジャケットに袖を通した生徒から、笑顔がこぼれる様子を映し出す。
登場するのは埼玉県の花咲徳栄高校吹奏楽部。吹奏楽に力をいれている。同社が1月に公募し、抽選で選ばれた。顧問の川口智子教諭(51)によると、「生徒に過度な期待を与えたくない」と、内緒で応募したという。コロナ下でコンクールなどは軒並み中止の昨今、「音楽の歩みを止めない、という意味で、本当にありがたい」と話す。
サウンドエンジニアを派遣
撮影は3月末、同社がプロのサウンドエンジニアらを同校に派遣して行われた。レコーディング用の高級マイクを約10本配置し、高精細カメラを準備した。プロジェクトのとりまとめ役、松永貴之さん(49)は、現場で合奏を聴き「ハーモニーに鳥肌がたった」。この臨場感ある音のふくらみをうまく録音できれば、同社が掲げる「音を通して心豊かな人生を」という理念も実現できるのでは、と感じたという。
拡大するオーディオテクニカの「Power of Sound」プロジェクトのとりまとめ役、松永貴之さん=東京都文京区のテクニカハウス
演奏会ができる喜びを校内で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル