福岡県直方市の私立・大和青藍高校(生徒数814人)が2日、新型コロナウイルス禍で中止していた体育祭と文化祭を縮小・融合した「Seiran Festival」を開いた。会場は、福岡市のプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの本拠、ペイペイドーム。コロナ対策を徹底し、「学校行事が出来なかった今年の思い出作りに」と全校挙げて取り組んだ。
生徒・教職員は公共交通機関などで移動し「1家族2人まで」とされた保護者も合わせ約2千人が参加した。開会式で大和雅彦校長は、コロナで休校や行事の軒並み中止が続くなか、9月中旬以降、県や球団側と協議を重ね、感染状況も見極めたうえで実現に至った経緯を説明した。
午前中は体育祭に代わる各種目があり、外野の人工芝にテープを貼った1周200メートルのトラックでリレーなどが繰り広げられ、その様子が大型スクリーンに大写しされた。
感染拡大防止のため、競技後の器具消毒や軍手の着用、競技中を除くマスク着用などが徹底され、例年の体育祭とは様変わり。それでも熱戦に歓声と拍手で盛り上がるいつもの風景が広がった。
午後は文化祭に代わるものとして、外野の臨設ステージで歌や合奏、演劇などが披露された。
生徒会長の調理科3年、中野聖也君(17)は「興奮しました。一生忘れられない思い出になりました。何か一つでも行事をとの思いが実現し、本当にうれしい」と話した。
球団側によると、ソフトバンクホークスになった2005年以降、学校単独のイベントは例がないという。大和青藍高によると、開催経費は使用料や設営費などを含め約500万円。学校の会計やPTA、卒業生組織の基金を活用した。(遠山武)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル