大阪や兵庫などで新型コロナウイルスの感染が急拡大している。大阪府は26日、飲食店への営業時間の短縮要請を府全域に拡大しての延長を決め、兵庫県も延長する方針だ。感染者が最多を更新した愛媛県でも時短要請を始める。
大阪府の25日までの7日間の感染者は、その前の7日間(12~18日)と比べて1・57倍多い1201人が確認された。26日は300人で、1月30日以来となる300人以上となった。
府は26日に対策本部会議を開き、大阪市内の飲食店に出している午後9時までの時短要請を4月1日から府内全域に広げ、21日まで延長することを決めた。
吉村洋文知事は会議後の記者会見で「(1日の感染者が)300人、400人になる日もそう遠くない。感染拡大の局面に入っている」と危機感を示した。その上で、改正特別措置法で新設された「まん延防止等重点措置」の適用要請についても「視野に入ってきている」と話した。緊急事態宣言を出す前の措置として位置づけられ、適用されれば、違反者に過料を科せる時短命令ができる。
3月上旬は大阪市外の感染者の伸びが目立っていたが、時短要請を続けていた大阪市内でも25日までの7日間の陽性者数は前の7日間から倍増した。政府の分科会が定めるモニタリング指標で「感染急増」段階にあたるステージ3の数値を市内に限ると超えた。
市中感染拡大のきっかけとなりやすい20代の感染者数も府域全体で倍増。専門家からは「若年者を中心に急増が見られ、第4波の兆し」「このまま放置すると、高い確率で第4波が襲来することが予測される」「時短要請は午後8時までの方が望ましい」といった意見が寄せられた。
兵庫県の26日の新規感染者数は116人で、3日連続で100人以上となった。井戸敏三知事は「このまま放置するような状況ではない。4月からも協力いただかないといけない」と述べ、神戸・阪神間の4市の飲食店を対象にしている時短要請を延長する方針を示した。期間は大阪府と歩調を合わせて21日とする方向で、対象を拡大する可能性にも言及した。29日に開く対策本部会議で決める。
松山市中心部の繁華街で変異ウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した愛媛県。最多59人の感染を発表した25日、中村時広知事は臨時の記者会見で「年末年始の第3波を上回る厳しい状況。第4波に入った」と危機感を示した。
26日も過去2番目に多い39人を確認。うち34人が繁華街クラスターの関連で、中村知事は、松山市の繁華街にある酒類提供の飲食店に対し、4月1~21日、午後9時までの時短要請を発表した。
大阪や兵庫に比べると感染者数が落ち着いている京都府も増加傾向にあり、26日には直近7日間平均の新規感染者数が16人になった。西脇隆俊知事は26日夕、報道陣に「非常に危機感をもっている」と述べ、感染者がさらに増えた場合には時短を再要請する考えを示した。(久保田侑暉、青瀬健、足立菜摘、権敬淑)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル