コロナ対策に「ワクチン接種証明」 京都の日本料理店で実証実験開始

 新型コロナウイルス対策の行動制限緩和に向けた飲食店での実証実験が21日、京都府内で始まった。ワクチン接種証明や陰性証明を使った「ワクチン・検査パッケージ」を試行する。

 嵐山・渡月橋に近い料亭旅館「嵐山辨慶(べんけい)」(京都市右京区)には昼過ぎ、予約客6人が来店。従業員が2回目のワクチン接種から2週間過ぎていることなどを確認し、個室へ案内した。左京区の会社経営、岡野真之さん(47)は「食事に誘われることも誘うことも減っていたので、うきうきして来た。負担はなく、安心できる」と歓迎した。

 磯橋輝彦社長(50)は「京都の料亭には400年以上の歴史がある店もあり、生き残りをかけた取り組み。元の経済活動になんとか戻ってほしい」と期待した。

 実験は11月3日までで、京都市と宇治市の日本料理店23店が対象。店内に二酸化炭素濃度の測定器を設置し、濃度が基準値を上回った場合の換気対策などを記録するほか、来店から2週間後には客の健康状態も確認する。府の時短要請は21日で終わるが、感染拡大時に備えて運用を検証する。

 大阪府も21日、大阪市の繁華街ミナミで25日から29日までの5日間、実証実験を行うと発表した。府の独自認証「ゴールドステッカー」を取得した飲食店12店が参加する。吉村洋文知事は「感染拡大防止と社会経済活動の両立を実現させるため」と狙いを説明した。

 店舗を利用するには、ワクチンの接種証明書やPCR検査結果の通知を示す必要がある。持っていない人には店舗近くの会場で抗原検査を受けてもらう。利用した施設や日時が記録される「大阪コロナ追跡システム」への登録を促すことで、感染者の動向を一定程度把握できるという。(高井里佳子、浅沼愛)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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