コロナ恐慌に備えよ! 大事なのは“失業しないこと”(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月23日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、経済ジャーナリストの磯山友幸さんが“新型コロナによる大恐慌”について述べました。

◆原油価格の急落は世界経済の危機

4月20日のNY原油先物市場で、初めて価格がマイナスに。これは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、原油の需要が激減し、在庫が増えたため急落。価格がマイナスとなったのは5月物の先物取引に限ったことではあるものの、経済の血液とも言われる原油市場での異例の事態に衝撃が広がっています。

まず磯山さんは“先物”について解説。これは決済期日があり、購入者はそこで現物を引き取らなければならず、そうなると保管料など大きな費用がかかります。そこで“お金を出すので引き取ってください”となるのがマイナスになる理由だと言います。

リーマンショック前の原油価格は140ドルでしたが、そこから下落し続け、遂にマイナス。「これは世界が原油を必要とする量が激減するということで、世界の経済規模が小さくなることを予想していると言ってもいい」と磯山さん。現状では6月物も含め安い価格が付いており、「世界経済の先行きに関し、超悲観なことを映している」と話します。

ここでMCの堀潤が最近は脱・化石燃料、環境対応から石油の需要にも大きな変化が起きていることを指摘すると、磯山さんは「原油価格がある程度高くないと、非化石燃料に乗り換えるインセンティブにならない。むしろ、価格が下がると化石燃料に戻ってしまうので環境にとってもマイナス」と返答。

◆世界大恐慌の教訓「失業者を生まないこと」

1929年には「世界大恐慌」があり、当時のアメリカの失業者は全労働者の25%となる1,300万人。一方で今回の失業者の累計は2,200万人。経済規模は大きく違うものの、数字上では世界大恐慌を上回る事態に直面しています。そんなアメリカに対し、日本はまだ雇用統計が出ていませんが、磯山さんは「おそらく(雇用が)激減している」と推測。

そして、世界大恐慌からの教訓として「仕事を失わないこと」と主張します。失業すると生活が悲惨になり、当時NYの公園にはテントで暮らす人が溢れていたとか。さらには「100年前に起きたことは、今これから起きない話ではない」と警鐘を鳴らし、政府が決めた「10万円一律給付」について言及。これは事業を継続するためのお金と言い、1回で終わりではなく、2回、3回と給付する必要性を訴えます。

また、磯山さんは今後、大企業さえも危うくなると懸念し、そういったところへの対処を含め「スピード感」を重視しつつ、「経済が元に戻ったときに会社が潰れていたら経済回復できない。今の経済システム、社会を壊さないことが求められている」とまとめました。

最後に堀からは2点質問が。1つは「日本政府に失業者を生まない政策、企業を守るための財政があるのか」。2つ目は「世界恐慌後に待っていたのは第二次世界大戦の危機。戦争への懸念に対するケア」について。

前者に対しては、財政の問題以上に「とりあえずお金を配って経済を繋ぐことが大事。その後、財政が揺らぐという別問題が起きてくるが、今それを言ってお金を出さず経済を潰してはいけない」と磯山さん。後者に関しては100年前のアメリカの経験から、「放っておくと戦争になりかねないので、政府の役割はすごく大きい」と答えていました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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