A-stories 追い詰められる女性たち
すこん、と乾いた音がした。アパートのドアにある郵便受けを見にいくと、会社からの封書が入っていた。
「なんだろう?」
在宅勤務中だった女性(27)が開けてみると、A4判の紙が一枚。「契約終了」とつづられていた。
これまで顧客サービスを担当してきたが、目立ったミスはなかったはず。
「まじで、ありえん」。同居する友人に愚痴った。
歯車が狂い始めた2020年夏のことだ。その約1年前、大学を卒業して就職を機に上京し、小さな会社で契約社員として働いていた。
会社へは以前から不信感があった。
入社面接では「数カ月で正社員になれる」という説明を受けたが、いざ入ると、「1年は契約社員のまま」。
そして契約終了の通告が届いた。
「泣き寝入りしたくない」と女性は社長に直談判した。
正社員になれるとの説明を踏…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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