大野博
宮崎県が河野俊嗣知事の新型コロナウイルス感染を2日に発表した際、1日に知事が初詣に行ったことなどを伏せていた。また地元紙に対し初詣に行ったことを報じないよう要請していた。県などへの取材で分かった。
河野知事自身のフェイスブック「河野しゅんじページ」への投稿(2日午後6時42分)によると、12月31日は「公舎などで過ごす 16時ごろ、宮崎八幡宮にて大祓式に参加」、1月1日は「公舎などで過ごす 14時ごろ、宮崎神宮及び宮崎県護国神社に初詣 夕方、倦怠(けんたい)感あり」となっている。投稿は「コロナに感染しました」から始まり、「振り返ると12月30日、31日にはいくらか喉の痛みがあったが、のどを酷使した(12月25日投開票の県知事)選挙の影響によるものと考えていた」と釈明している。
一方、県が2日午後5時すぎに発表した河野知事のコロナ感染を知らせるプレスリリースには、12月31日と1月1日は「公舎などで過ごす」と書かれていた。
さらに県秘書広報課は1日午後9時すぎ、この日の行動を「宮崎市の宮崎神宮、護国神社に初詣」と書いたメールを、「知事の動き」を掲載している宮崎日日新聞社に送ったが、2日午後、同社に「知事がコロナに感染した。内容を修正できないか」と電話し、「終日、公舎などで過ごす」への変更を要請するメールを送ったという。
同紙は要請に応じず、3日付朝刊の「知事の動き」に初詣のことも記載した。
県秘書広報課の担当者は「知事は初詣の際、何人かの人に会ったり会話をしたりしたと考えられるが、マスクを着用するなどしており、濃厚接触者にあたる人はいない状況だった。初詣に出かけていたと報道されれば県民に不安を与えることになるのでは、との考えが先に立った。今から思えば適切ではなかった」と話した。(大野博)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル