大雨特別警報が発令された福岡、佐賀、長崎の3県では、14日午後3時までに約150万世帯334万人を対象に緊急安全確保・避難指示が出た。新型コロナウイルス感染が急拡大する中での避難所設置となり、細心の注意を払いながらの市民の受け入れが続く。
長崎市の「上長崎地区ふれあいセンター」では午後4時現在、7世帯10人が身を寄せた。和室や研修室を開放し、職員ができるだけ避難者同士の間隔を空けてもらうよう呼びかけた。入り口では、手指消毒や検温、連絡先の記入などを徹底している。運営にあたる市職員の女性は「避難所で感染を広げてはいけないという緊張感がある」。
長崎県庁のホームページには、避難所の混雑状況を紹介する外部サイトへのリンクがある。利用できる避難所が地図上で示され、「空いています」「やや混雑」「混雑」など混み具合が分かる。「密」を避けるため、この市職員は「混雑してきたら、別の所を紹介します」と説明する。
福岡県久留米市では、新型コロナの陽性者と濃厚接触者が入る専用の避難所を初めて開設した。午後4時現在、陽性者1人と濃厚接触者9人が避難した。
市によると、陽性の人は宿泊療養施設に入る予定で自宅待機していた。大雨が予想され、保健所が健康観察の電話の際に事前に専用避難所の利用を案内したという。
佐賀県小城市牛津町の「牛津公民館」では、発熱患者が入る専用の部屋を準備し、残る部屋を避難者が利用する。午後4時現在、約80人が世帯別に一定の距離をとって体を休めている。
内閣府などによると、新型コロナが収束しない中でも、災害時に危険な場所にいる人は迷わず避難することが重要と呼びかけている。
備えとしては、市町村がつくるハザードマップで居場所が安全かどうかを確認。浸水や土砂崩れなど危険がある場合は、身近な避難所を利用するよう促す。ただし「密」を避けるため、安全な場所に住む親戚や知人宅、ホテルの利用も検討してほしいという。
豪雨時に屋外の移動は車も含めて危険を伴う。やむをえず車中泊する時は、浸水しない所か周りを十分確認することが大切という。
避難する場合は、マスクや消毒液、体温計など感染防止や健康状態の確認に必要な日用品、スマホの充電器などもあると便利という。(高木智子、布田一樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル