新型コロナウイルスの感染拡大が、高齢者の日常生活にも影を落としている。行きつけの公民館は閉まり、家族から「外出を控えて」と言われて家にこもる日々。高齢者が多く住む大阪・千里ニュータウンでは民生委員らが訪問活動を自粛。電話や手紙での見守り活動を強いられている。
大阪府の豊中・吹田両市に広がる国内最古の大規模ニュータウン「千里ニュータウン」の高齢化率は2015年現在で31%。近年の建て替えで若い世代が増えてきたが、両市の平均を5~9ポイントほど上回る。
夜が白み始めた9日午前5時。豊中市の千里中央公園では、近くに住む岡本耕一さん(71)が娘の手作りマスクを着けて歩いていた。月2回の趣味のサークルは3月から中止。日中は家で過ごしているという。
「昼に歩くと人が多くてコロナが心配。何としてもこの時間に歩かないとね」
豊中市の団地に一人で暮らす稲木貞子さん(94)の冷蔵庫には、スーパーで買った直径20センチ以上のキャベツが丸ごと入っていた。
「買い物は行かないようにしてるし、一度にたくさん持って帰れないから一番大きなものを買ってきた」
4月7日、大阪など7都府県に緊急事態宣言が出されたことをニュースで知った時は、太平洋戦争で我慢した若い頃を思い出したという。「いつまで続くのかね。このままだと絶対に寝たきりが増えるよ」
市内の別の団地で夫(80)と2人暮らしの女性(75)は、息子から「人混みに行くな」と強く言われ、買い物以外は家で過ごす。「コロナをうつされるより、うつしたら迷惑をかけるのが怖い。ここに住めなくなる」。外で近所の人に会っても、お互いに遠慮して話さなくなった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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