「あれ? こんな風に怒る人じゃなかったのに」「いつも冷静な人がいきなり無謀な戦略に出た」――。最近そんな上司、あなたの周りにいませんか。南多摩病院(東京都八王子市)の國松淳和医師(43)は、コロナ禍で普段とはうって変わって怒りっぽくなったり、様子が一変したりした人を「シャムズ」と名付け、警鐘を鳴らしています。とくに自分流のやり方でのし上がってきた管理職が多いとか。そのメカニズムと対処法を聞きました。(GLOBE編集部・目黒隆行)
シャムズは病気ではない
――昨年出版した著作『コロナのせいにしてみよう。―シャムズの話―』(金原出版)で、シャムズは病気ではないと説いていますね。
そうです。病気は予防するにこしたことはありませんから、シャムズは病気よりももっと手前の段階のことです。普段穏やかな人が怒りっぽくなったり、活発だった人がしんみりしてしまったり、眠れなくなったり、柄にもないことを突然始めたり。普段のその人からすると不自然なことをしている状態です。
何かを過度に不安に思うなど、人は大きな負担がかかると脳に「精神的加重」がかかります。そういう状態では心身に様々な影響が出ることがありますが、その原因がコロナであるものをシャムズと読んでいるのです。
ですから、医学用語や病名ではなく、コロナで変わってしまった人全般を指す言葉と定義しています。COVID―19/Coronavirus―Induced Altered Mental Statusの略で、「シャムズ(CIAMS)」です。「新型コロナウイルス感染症が誘発する精神状態の変化」を意味しています。
――なぜ、「シャムズ」という概念を考えたのでしょうか。
昨年の2、3月ごろでしょう…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル