「お嫁取りですか? 婿入りですか?」
東京・青山の結婚式場「セントグレース大聖堂」の松岡沙英(さえ)支配人(32)は以前、式の打ち合わせでカップルに必ずそう尋ねていた。だが、この質問を当たり前のようにするのはやめたという。「コロナ禍をきっかけに、結婚式のあり方を見直した結果です」
系列の別の式場の支配人だった昨年春、1回目の緊急事態宣言が出され、約1カ月間の休業を余儀なくされた。ブライダル業界に入って8年。「こんなに長期間、式がないのは初めての経験だった」と振り返る。
ただ、休業は従来の式の形を見つめ直す機会にもなった。「密」を発生させない動線、案内の仕方などの試行を重ねた。
そうした模索のなかで手がけた、ある結婚式が印象に残っているという。
休業に伴い、予定していた式…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル