「本音はもちろん、テレワークがいいですよ。でも、出社しないとできない仕事ですから」。愛知県の専門商社で働く20代の女性は言う。所属部署は、経理部だ。たとえ社内が変わったとしても、やりとりする他社が変わらないと、いつまでも出社しなければいけないことになる。業務の効率化を図るためにも、社会全体で紙や印鑑を使う慣習を捨て、電子化してほしい。彼女はそう願っている。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】 新型コロナウイルスが猛威をふるった2020年、テレワークを導入する企業が増えた。彼女の会社も同様だった。 ただ、他の部署は早々とテレワークを許可されたにもかかわらず、経理部はその対応を後回しにされた。どうしても「紙」や「印鑑」を必要とする業務だったからだ。 取引先である銀行とのやりとりでは、小切手の受け渡しがあった。また、紙で請求書や伝票を用意。他部署の同僚に直接、印鑑を押してもらう書類もあった。 社内ですべてが完結できれば、業務の全てを電子化もできる。しかし、他部署や他社とのやりとりの都合上、政府による緊急事態宣言下でも出社する日々を送った。
「不公平だなと思っていた」
会社は経理部門にも目を向け、書類を自宅に持ち帰ることを許可。テレワークが認められたという。 しかし、書類を紛失することなく、しっかりと管理ができるなら、という条件付きだった。 ただ、それでも彼女がテレワークを経験した日は少なかった。女性は、BuzzFeed Newsに話す。 「私は、銀行と関わることが多いので出社しないといけなかったんです。同じ経理部内でも、社内で完結できる人はテレワークができていました」 新型コロナウイルスに感染しないか。そんな不安に駆られながら出社した。仕事の都合で出社しなければならなかった彼女は、友人たちから「要注意人物」というレッテルも貼られ、嫌な気分になりもした。 「仕方ないと思いますが、社内で差が生まれ、不公平だなと思っていました。紙や印鑑とか、時代的にも古いですし、業務を進める上でどうしても進捗が遅くなります」 「コロナのことを抜きにしても、電子化したらやりやすいですし、管理する上でもミスが減り、効率的になって生産性が上がると思っています。社会全体で古い慣習が変わり、無駄なものをどんどんなくしてほしいですね」 緊急事態宣言が解かれた今、会社からは出社するか、テレワークを選ぶかの2択を用意されている。 「本音はもちろん、テレワークがいいですよ。でも、出社を選ぼうと思っています。出社しないとできない仕事ですから。ただ、私の場合は、銀行が変わってくれれば、テレワークをもう少しできるようになると思っています。会社も変わると信じています」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース