コロナ禍で客足遠のく3・11伝承施設 語り部、オンラインに活路

 東日本大震災からまもなく11年。新型コロナウイルスの「第6波」に見舞われる岩手、宮城、福島の被災地では、伝承施設の来館者数の落ち込みが目立つ。教訓の継承に向けて、各団体はオンラインでの活動などに活路を見いだすが、長引くコロナ禍に苦悩が続く。

 今月17日の昼前。宮城県気仙沼市の「市東日本大震災遺構・伝承館」の館内を訪れる人はまばらだった。同館で語り部をしている菊田忠衛さん(72)は「忙しい時には、午前中から団体客でにぎわうんですが」と声を落とした。

 同館は2019年3月にオープン。4階まで津波が襲った気仙沼向洋高校旧校舎を遺構として活用し、流された車が校舎3階に入り込んだ姿などを今に残す。感染が落ち着いていた昨年10、11月は校外学習の生徒などでにぎわい、1カ月で7千人近くが訪れた。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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