コロナ禍で駅周辺にマンション続々 野放図な街づくりの将来は?

 大都市圏の開発は農地にとどまらず、商業地でも新たな課題をもたらしている。

 浦和は埼玉県庁やさいたま市役所などがある行政の中心地である。JR浦和駅近くを旧中山道が通り、江戸時代には日本橋から3番目の宿場町「浦和宿」として栄えた。

 東京都心まで電車で約30分の便利さもあり、駅周辺にはマンションが並ぶ。市によると、駅周辺地区の新規マンション建設数は2020年度に年間約7600戸(約140棟)を数え、10年前の約1・5倍になった。

 総務省の調べでは、同市は昨年、転入者から転出者を引いた「転入超過」が1万527人で、全国の市区町村でトップだった。15歳未満の転入超過は7年続けて全国で最も多く、ファミリー層が増えている。

 小学校には次々に仮設校舎が建つ。浦和駅西口の高砂小学校は19年度に4教室が入る仮設校舎をつくり、昨年度の児童数は5年前より13%増の1039人になった。20年度には東口の仲本小、JR武蔵浦和駅に近い浦和別所小や南浦和駅に近い大谷場東小にも仮設校舎が建った。

 これらの学区に共通するのは、「商業地域」に指定され、高層マンションを建てやすい地区があることだ。

 商業地域は本来、ショッピングセンターやオフィスビルが建つはずだが、インターネット通販の拡大にコロナ禍が追い打ちをかけ、商業施設は新設どころか、撤退の心配さえある。

 さいたま市内で高層のオフィスビルがあるのは、浦和の北に位置するさいたま新都心新幹線が止まる大宮など一部に過ぎない。オフィスが進出しない商業地域の多くで、代わりに建設が進むのが高層マンションだ。

 JR北浦和駅周辺でも商業地…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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