新型コロナウイルスによる一斉休校や外出自粛の影響で、ネット依存の疑いがある小中高校生が急増していることが大阪府の調査でわかった。コロナ禍の前とさなかに実施した各1万人超のアンケートを比べると、ネット依存の傾向がある割合が小中高生で約3~9ポイント上昇した。
調査は大阪府青少年課が府内の小中高生を対象に行い、子どものネット問題に詳しい竹内和雄・兵庫県立大准教授が分析した。コロナ以前の2019年夏とコロナの影響を受けた20年秋、インターネットやスマートフォンなどの利用状況を聞いた。
このうち小4~高3で、ネット依存の疑いがある児童・生徒の割合を比べた。有効回答数は19年が1万4597人で、20年は1万9783人。その結果、小学生は10・2%から13・7%に、中学生は15・3%から18・9%に、高校生も19・3%から28・5%と軒並み上昇していた。学年では高校3年(男女)が最も上昇しており、性別では高校男子が15・6%から27・5%と伸びが顕著だった。
竹内准教授は「コロナの影響は明らか。特に高3は受験で忙しくなり、身近なスマホやネットに現実逃避しやすいようだ」と話す。
アンケートの設問は、①ネットに夢中になっていると感じる②満足するため使用時間をもっと長くしたい③制限や中止を試みたが、うまくいかないことがたびたびある④時間を短くしようとするとイライラする⑤考えていたより長く続けてしまう⑥ネットで人間関係を台無しにしたことがある⑦熱中を隠すため、家族らにウソをついたことがある⑧絶望や不安から逃げたくてネットを使う――の8問。5問以上当てはまる人をネット依存の疑い「あり」と数えた。国際的に広く使われている設問で、厚生労働省の調査でも活用されている。
竹内准教授は「子ども自身から限界という悲鳴が出るほど状況は深刻。家庭や学校で、ネット依存を防ぐルール作りを急ぐ必要がある」と話す。(西村悠輔)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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