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19日も西日本を中心に危険な暑さとなりました。7月の豪雨で被災した大分県日田市の天ケ瀬温泉では、河原に残る流木の撤去が続けられています。今年一番となった猛暑のなか、熱中症を警戒しながらの作業となりました。熱中症で救急搬送された人は、今月に入ってから、全国で増え続け、先週は1万2000人を超えています。半数近くが、自宅で発症していました。東京23区では、今月に入ってから103人が熱中症で亡くなっています。このうち少なくとも84人が、エアコンを使っていませんでした。 暑さへの警戒に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大も深刻な状況となっています。東京都の新たな感染者は186人で、2日ぶりに100人台となりましたが、1カ月半近く、3桁の状態が続いています。また、大阪府の新たな感染者は187人と、東京よりも多くなりました。吉村知事は「感染拡大を抑えながら対応している」としていますが、重症者用の病床については、シミュレーションで、一日の新規感染者が200人前後で横ばいの場合、府が確保を目指している最大215床が、9月9日に満杯になるとの結果が出ました。
吉村知事:「215床を上回るとなれば、病気、けがとか、ICUをすべてコロナに使うわけにはいかないと思うので、どこまで大阪府全体で対応できるのか」 重症者の数は、全国で急増しています。厚生労働省によりますと、今月1日に83人だったのが、17日は243人と約3倍になっているといいます。『GoToトラベル』キャンペーン以降に、大阪府と沖縄県は急激に増えています。沖縄県の19日の新たな感染者は71人と、18日より38人増え、3日ぶりに50人を超えました。また、人口10万人あたりの感染者は、全国一多い状態が続いています。 19日に開かれた、衆議院の厚生労働委員会では、沖縄県に対する国の対応について、質疑が行われました。
無所属・小川淳也議員:「速やかに緊急事態宣言、国として、一番ひどい沖縄県に焦点を当てたそういった対応、考えるべきではないか」
加藤厚生労働大臣:「国としては、このステージの判断と合わせて、緊急事態宣言をどうするかについては、これまでもそうであるが、専門家の意見も聞きながら、必要な場合においては判断していく。こういう姿勢には変わりはない」
“新型コロナ対策”分科会・尾身会長:「ある程度、沖縄の感染が“下火”になっているというのが我々の理解。今の知事の判断というのを尊重したらいいんじゃないか」
沖縄県の会見:「毎日の感染者数だけで見るとそういう表現になっているのかもしれないが、内容は重症化リスクの高い人の割合が段々増えている状況なので“下火”というのは、今は当たらないのかなと思う」 日本医師会は19日、3月~6月における、病院の経営状態について、アンケート調査した結果を公表しました。
日本医師会の会見:「(3月~6月)新型コロナの入院患者ありの病院の医業利益率は(前年比)マイナス24.6%。1カ月の赤字は1億980万円。入院患者なしの病院もマイナス2010万円だった」
また、初診料が32.1%のマイナスなど、外来の受診控えも続いている状態だといいます。 新型コロナウイルス発生当初から多くの患者を診てきた国立国際医療研究センターの忽那賢志先生に聞きます。 ※全国で重症者が増加していることについて
忽那先生:「重症者は、確実に増えている実感があります。重症者の人は慎重なケアが必要となります。重症者が1人、2人いると、医療機関にかかる負荷は増えてきます。今後、さらに重症者が増えると、医療機関として新型コロナ患者の対応で手いっぱいになってしまって、コロナ以外の病気の患者を診る余裕がなくなってくる事態も考えられます。医療体制を維持すためにも重症者を減らす。そのためには新規感染者の数を減らすことが重要になってきます」 ※コロナ以外の疾患への影響について
忽那先生:「2月~5月にかけて外来患者が減ってきている理由はいくつかあります。ポジティブな面としては、コロナ対策として、手洗いやうがいなど、感染予防を徹底したことで、感染症の患者が減っています。感染症の患者が多い小児科では、例えば、手足口病の患者が減っています。ただ、感染症の患者以外では、本来受診が必要な患者さんであっても、病院での感染を心配して受診を控えている人がいると思います。病院側も、クラスターを避けるために、緊急ではない手術などは予定を遅らせたりしているので、受診者数や入院患者数が減っていると考えられます」 ※病院経営への影響について
忽那先生:「4月~6月にかけて収入が落ちているのは、外来の受診者数が全体的に減っているし、緊急手術以外の手術の延期などといった影響が出ていると考えられます。健康診断、人間ドックというのは、緊急性のあるものではないため、コロナが落ち着いたら受診しようと判断された方が多いのではないかと考えられます。海外では、コロナの影響で、本来、診断されるべきがんや、心筋梗塞の患者の診断が遅れたという報告もあります」 ※コロナの患者を診れば診るほど、病院経営が苦しくなる現状。現場の医師として望むことについて
忽那先生:「根本的にはコロナの流行が落ち着かないといけない。経営面では病院にも何らかの補填があると、大変ありがたいと思います。このままの状態が続くと、経営破綻する病院も出てくる懸念もあります。コロナ以外の患者さんへの対応についても重要であり、病院の機能を分担して集中化を図るなどの工夫が必要ではないかと思います。例えば、東京都や大阪府が提案しているコロナ専門病院というのは、その解決策の一つなると思います」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース