黄金色に輝く麦畑やひまわりなどの鮮やかな色彩で愛されるフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90)。神戸市中央区の兵庫県立美術館で開催中のゴッホ展は、印象派や浮世絵の影響で知られる画家の、意外に「地味」な下積み時代に光を当てつつ、独自の作風を築いていった10年の画業をたどる。
親戚のつてで就職した画廊を解雇され、キリスト教の伝道師をめざした後、27歳で画家になろうと決心した遅咲きのゴッホ。「農民画家」ミレーと並んで手本としたのが、19世紀後半にオランダで活動したハーグ派の面々だった。
バルビゾン派の流れをくみ、田園地帯や海岸の風景と暮らしを描いて人気を集めたハーグ派は、くすんだ色調を多用して「灰色派」と呼ばれた。なかでも中心人物だったヨゼフ・イスラエルスは、貧しい農民や漁民をモデルに情感豊かな人物画を手がけ、ゴッホに強い影響を与えた。
ゴッホは1881年、ハーグ派の画家で義理のいとこのアントン・マウフェに学び始める。それまで独学で過去の巨匠の模写をしていたが、師の助言通りモデルを見て描いた農民の姿はポーズや表情が硬く、まだまだつたない。
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デッサンの練習を繰り返し、素…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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