金子和史
日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、金融商品取引法違反罪の共犯に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(65)が27日、東京地裁であった公判で「いかなる罪も犯していない」と最終陳述し、改めて無罪を訴えた。昨年秋に始まった公判はこの日で結審し、判決は来年3月3日に指定された。
検察側は懲役2年を求刑している。弁護側は最終弁論で、ゴーン元会長の報酬の一部を退任後に受け取る「未払い報酬」にして同法で義務づけられた開示を避けたと主張する検察側に対し、開示した以外の「別の報酬は存在しない」と反論。報酬の支払い方法は、社内外の弁護士らに相談し「合法的に検討していた」と強調した。
同法の両罰規定で起訴された法人としての日産は検察側の主張を認め、最終弁論で「犯行はゴーン元会長個人の利益を図った」と述べた。(金子和史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル