自身の役員報酬を有価証券報告書に過少に記載したなどとして金融商品取引法違反などの罪で起訴された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が公判で「検察側の起訴は違法」などと主張することが8日、分かった。ゴーン被告の弁護団が明らかにした。弁護団は17日までに東京地裁の裁判官と検察側に、公判で主張を予定する内容を提出する見通し。
ゴーン被告は金商法違反事件の他にも、私的投資の損失を日産に付け替えた上、知人のサウジアラビア人実業家側や、オマーンの販売代理店に日産の資金を不正に支出したとされる会社法違反(特別背任)罪でも起訴。いずれの事件でも無罪を主張している。
弁護団の弘中惇一郎弁護士によると、両事件の捜査で証拠が違法に収集されたなどと主張する方針。個別の論点については、(1)金商法違反事件では未払い報酬は存在しなかった(2)特別背任事件では日産に損害が発生する余地はなかった-などと反論する方針だという。
弘中氏は8日、報道陣の取材に対し「根本的に違法な捜査であり、起訴全体が違法」と強調した。
地裁は金商法違反事件について、早ければ来年3月にも初公判を開くとの見通しを明らかにしている。
また、弁護団は同日、ゴーン被告の不正行為で350億円以上の被害を負ったとする社内調査結果を日産が9月9日に公表したことに対し、「偏った不十分な調査で信用できない」とする声明を公表した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース