暑い夏はまだ続いていますが、涼しくなってきたらサイクリングはいかがでしょうか。普段の通勤路に少し坂道を加えたり、距離を延ばしたり。ちょっとこぎ方を意識すれば、脚の筋力維持にもつながる。
「こけない限りはけがをしない運動です。通勤に使う場合、週に3回片道6、7キロ程度はこいでほしい」
こう話すのは、名古屋市立大学の高石鉄雄教授(応用生理学)。長年、自転車と健康について研究している。自転車に乗る際に主に働く筋肉は、太ももの大きな筋肉「大腿(だいたい)四頭筋」だ。また、ひざや股関節を繰り返し曲げ伸ばしする運動にもなる。道路の傾きや走るスピード、風などによって、使う筋力が変わるのも特徴だという。
高石さんは、サイクリングの運動強度と体力、健康レベルを調べた。対象は愛知県内の二つのサイクリングクラブに所属する60~76歳の男女17人で、スポーツ用自転車で1週間に1~5日、12~50キロのサイクリングを楽しんでいる。決められたルートを走ってもらったところ、70~85分の走行時間のうちウォーキングより体力を使う「高強度」とされる時間が72%を占めた。最大酸素摂取量の平均値は同年齢の標準を上回り、同年齢層のランナーと同じ程度だった。ひざを伸ばす筋力も高かったという。
高石さんに、健康維持につながる乗り方について聞いた。サドルは、またがった時につま先がつく程度に高めにし、ハンドルは逆に低めにするのがいいという。こうすると前傾姿勢になるため、空気抵抗が抑えられるほか、太ももの前後の幅広い筋肉を使うことができる。そして、ペダルは親指の付け根にある拇趾球(ぼしきゅう)で踏む。ふくらはぎの筋肉が鍛えられるという。安全に配慮しながら、スピードは速めに走った方が運動強度は上がるという。
また、変速機能が付いている自…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル