神村正史
2日午前10時15分ごろ、北海道網走市の二ツ岩付近の海岸で釣りをしていた男性から「ゴムボートから男3人が海に落ちて漂流している」と北海道警網走署に通報があった。1人は自力で岸まで泳ぎ着き、残る2人は網走海上保安署から連絡を受けた漁船などが約1時間後に救助し、救急搬送されたが、1人が死亡した。
網走海保によると、亡くなったのは札幌市の会社員武者寛之さん(53)。3人は札幌市などからサケ釣りに来ていた。3人は、船外機付きゴムボート(3・8メートル)を二ツ岩の浜に下ろし、そこから南東約3キロの網走港帽子岩付近に行って釣りをし、戻る途中に二ツ岩の沖約100メートルで波を受けてボートが転覆、海に投げ出されたとみられる。
3人ともライフジャケットを着ていたが、事故当時、波の高さが1メートルほどあり、南寄りの5メートルの風が吹いていた。自力で泳ぎ着いた男性は朝日新聞の取材に「午前6時ごろにボートを出した時は風も波もなかった。風が強まってきたので戻り始めたが、あと少しというところで、白波を受けて転覆した。海中は非常に寒かった」と話した。
帽子岩付近は道内有数のサケ釣りポイント。小さなボートで釣りをする人が多く、網走海保は「海中転落の通報はこれまでにもある。気象状況をしっかり見極めることが大切だ。天気が変わるような時は、釣りをやめたり、ボートを出さないという判断をしたりして欲しい」と注意を呼びかけている。(神村正史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル