サルの高崎山、愛されて70年 ベテランスタッフが語るその魅力

 高崎山自然動物園(大分市)が3月15日、開園70年を迎えた。野生のサルの生態を間近に観察できる動物園として愛され、入園者数は5500万人を超えた。ベテランスタッフと一緒に園内を歩き、その魅力に触れてみた。

 3月中旬、平日の昼にもかかわらず、園内は家族連れやカップルらでにぎわっていた。コロナ禍が落ち着いた最近は学生の卒業旅行や外国人の少人数グループも目立つようになった。

 「マルオが近づいてきましたね。一緒に記念撮影ができる優しいサルですよ」

 サルの世話からガイドまでこなす「専門員」の藤田忠盛さん(52)が入園客に声をかけると、マルオとのツーショットを自撮りする人でたちまち行列が出来た。当のマルオはすました顔で写真に納まっている。

 山口県下関市から来た小学5年の高橋應介君(11)は「ボスザルは間近で見ると迫力がある。サルのケンカが兄弟げんかみたいだった」と笑顔を見せた。

 園によると、1952年に当時の上田保・大分市長が、高崎山周辺の農作物に被害を出していた野生のサルを集めて観光資源にしようと餌付けを開始。餌をリンゴからサツマイモに換えるなど試行錯誤を重ねた結果、53年3月15日に高崎山自然動物園が開園した。

 園内にオリはなく、エサを与える「寄せ場」があり、高崎山から下りてきたサルたちと来園者を遮るものはない。よくある「サル山」と違って野生のサルと接することができ、地元だけでなく国内外の観光客からも人気を呼んでいる。

 高崎山には三つの群れがあっ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment