サンガスタジアムが保育園に 親「選手になるしかない」

 サッカーJ2・京都サンガの拠点「京都府立京都スタジアム」(サンガスタジアム by KYOCERA、亀岡市)の芝のピッチに、子どもたちの笑い声が響く。ここは今月から、「びばっこ保育園」の園庭としても使われることになった。前代未聞の保育環境は、企業が運営することで整った。(小松万希子)

広大な芝に「キャー」 スタジアム施設を普段使い

 1日朝、スタジアムに続々と集まってきたのは、保護者に手をひかれた0歳~2歳までの園児十数人。この日は、びばっこ保育園のオープン日。初登園だ。

 巨大な建物に驚く子もいたが、タイルで舗装されたスタジアムの外周をカートに乗って「お散歩」すると、園児らは乗り心地よさげ。続いて、200平方メートルほどの明るい園内でおもちゃ遊びを楽しんだ。園はスタジアム1階の一角にある。

 室内の壁一面には、キリンやカメなど色鮮やかな動植物のイラストが。京都市在住のアーティスト、YUKO KIMOTOさんが「みんなが笑顔になれる場所に」と願い、描いた。自身も、2歳になる子どもを預けるという。

 園児らの体も心もほぐれたころ、ピッチへ向かう時間が来た。園のそばにある関係者用の通用口から徒歩1分、晴れ渡った空と芝生が目の前に広がった。

 「ギャー」と驚いて泣く子。広大な遊び場に歓声をあげ、「キャー」とさっそく走り回る子。ハイハイしながら不思議そうに芝をさわる子。「ピッチデビュー」はさまざまだ。

 1歳半の子の父親(35)は、芝ではしゃぐ我が子を見守り、「サンガの選手になるしかないな」とにやり。サッカー好きで、チラシをみて市外からわざわざ転園を決めたという。

 定員は30人。新型コロナウイルスの影響でキャンセルが出たため、まだ10人分ほどの空きがあるという。

 こんなユニークな保育園は、どうやって可能になったのか。

にぎわい創出 スタジアム運営にも貢献

 びばっこを運営するのは、府…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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