高知県大月町の柏島沖で17日夜、サンゴの一斉産卵があった。午後9時半ごろ、水深5、6メートルの海底を覆うミドリイシ類のサンゴの表面から、無数の卵が一斉に放たれた。卵は真っ暗な海中でライトに照らされ、ピンク色にきらめいた。産卵は15分ほど続いた。
島内にあるNPO法人「黒潮実感センター」の神田優(まさる)センター長によると、卵は精子と卵子が入ったカプセルで、「バンドル」と呼ばれる。海面ではじけ、他の群体の精子や卵子と受精する。ミドリイシ類の一斉産卵が見られるのは6、7月が一般的で、9月に観測できるのは珍しい。柏島沖では海水温が高くなる夏、大潮になる新月の前後に産卵することが多いという。
産卵の様子を見たダイバーの牧野容子さん(42)は、「見られるか不安だった分、感動が倍増しました。夜空に舞う雪のようでした」と話した。(細川卓)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル