福岡市の繁華街・中洲に「坊主バー」がある。シェーカーを振るのは作務衣姿の僧侶。酒瓶の横に仏像が並び、線香はたき放題。「お盆にご先祖にお参りできなかった人は、手を合わせに来て下さい」と誘う。
ビル3階の店の壁は朱色で、カウンターに並ぶお膳に飲み物が供される。抹茶リキュールと日本酒の創作カクテル「祈り」の注文を受け、マスターの竹内寛和さん(43)はシェーカーの中を線香の香りでたき込め、客に「お祈り事、お願い事をどうぞ」と促した。
シェーカーを振り、「釈迦(シャカ)、釈迦と聞こえます。ありがたいですねえ」と駄じゃれを飛ばすと、客は笑顔に。「垣根を低くして、日頃お寺や仏教と関わりがない人とも生き方について考えていきたい」と話す。
実家は長野県の曹洞宗の寺。18歳から約4年間、愛媛県の寺の修行道場などで学び、僧侶に。30歳で大学を卒業し、福岡市で会社員を7年、その後約2年間世界を放浪した。訪れた国は53カ国。東京・四谷の「坊主バー」で働き、2017年2月にこのバーを開いた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル