野生ジカとの接触事故を防ぐため、東武鉄道が日光線など3路線に「鹿笛」の導入を始めた。人には聞こえない超音波を約400メートル先まで発し、シカに列車の接近を警告する。シカと列車の接触事故は全国的に増加傾向で、東武鉄道も順次設置車両を増やしていく。
鹿笛は長さ約5・5センチの筒状で、列車が時速48キロ以上になると、超音波を発生する。同鉄道は先頭車両の下部に音量と周波数が違う2種類の鹿笛を設置し、線路内のシカを追っ払う仕組みだ。
導入するのは日光線、佐野線、東上線の一部。今月13日から順次設置が始まった。同鉄道によると、乗り入れる野岩鉄道・会津鉄道線内を含めて、2017年4月から今年3月までの3年間に、85件のシカとの接触事故が起きた。うち8割に当たる67件は日光線新栃木駅以北で発生しているという。
シカ以外の野生動物との衝突事故もあるが、シカが多いという。同鉄道は「事故件数に加えてシカと衝突した場合、車両の破損がひどく損害が大きい。このためシカ対策を講じることになった」としている。
全国の鉄道会社が列車と野生動…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル