シカ用では強度不足?ツキノワグマが「箱わな」脱出、天井こじ開ける

青木康行

 イノシシやシカを捕獲するための「箱わな」にかかったクマが逃げ出す瞬間を兵庫県丹波市青垣町の大西伸弘さん(65)が撮影した。クマはわなの天井を壊した後、裏山へ逃げていったという。

 大西さんは元県立柏原高校長で丹波市生涯学習推進員。7月26日午前5時半ごろ、自宅の台所にいたら、外でガチャガチャと大きな音がした。外へ出てみると、体長1・2メートルくらいのツキノワグマがわなにかかっていた。

 クマが頑丈なわなを壊すとは思いもしなかったので、急いで自宅からスマートフォンを持ち出した。撮影しようと約10メートルまで近づいた時、突然クマは立ち上がり、天井を胴体が通れるまでこじ開けた。柵をよじ登ってわなから抜けだし、裏山へ逃げていった。

 大西さんに危害はなかった。「クマの顔が葉っぱで隠れ、目が合わなかったのが幸いしたのでしょうか」。わなから逃げ出す瞬間、1枚だけシャッターを押していた。

 イノシシやシカの食害対策用に県などがわなを設置していた。大西さんは栗や柿の枝をクマが折ったとみられる痕跡は見たことがあるが、クマそのものを見たのは初めてだったという。(青木康行)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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