花を思わせる爽やかな明るさ。2021年春夏パリ・オートクチュールコレクションが1月下旬、デジタル映像で発表された。刺繡(ししゅう)など職人技を詰め込んだ夢のようなドレスと共に、スーツやニットなど軽やかな日常着も多かった。コロナ下だからか、見て、着て楽しくなるような提案が目立った。(編集委員・高橋牧子、神宮桃子)
シャネルの会場は、いつものパリのグラン・パレで、巨大な建物内に花のアーチや多くの椅子が置かれた。ただ、客席はまばらで、俳優のマリオン・コティヤールやペネロペ・クルスら数人がぽつんと座る。
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らせん階段をモデルたちが下りてくる姿を、コティヤールたちがうっとりと、それでいて物憂げな顔で見つめる。その表情からは、大勢では集まれないコロナ禍の切なさが伝わってくる。映像はオランダの映画監督アントン・コービンが担当した。
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作品はブランドの伝統に基づいた正統なデザインだが、色や素材に明るさが宿る。定番のツイードスーツには、輝くビーズ刺繡(ししゅう)を施したり、黄金色のボウタイブラウスを合わせたり。刺繍や羽根、花飾りが重ねられ、完成度の高い職人技をみせつける。
ヴァレンティノは、創業の地ローマにある美術館が舞台。展示品が並ぶ豪華な内装に溶け込むように、凝った手仕事を施した大胆なフォルムのドレスなどをそろえた。大きなタックを取ったロングスカートなど、ドラマチックな印象の服に、カジュアルなニットを合わせて現代的に見せる。
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色はライラックや黄、淡いブル…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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