夏のマリンレジャーシーズンを迎え、第3管区海上保安本部(横浜)は、シュノーケルを使った遊泳中にライフジャケット(救命胴衣)を着用するよう呼び掛けている。管内では、シュノーケリング中におぼれる事故が相次いでおり、事故者のうち神奈川と東京の在住者が半数超を占める。担当者は「海で遊ぶ際は正しい知識と技術を習得し、装備を整えて安全に楽しんで」と訴えている。
管内でのシュノーケリング中に事故は増加傾向にある。過去5年間には69人が事故に遭い、そのうち死亡または行方不明は43人だった。推移を見ると、2014年は12人(死亡または行方不明7人)、15年は18人(11人)、16年は6人(4人)、17年は13人(8人)。18年は20人(13人)。死亡・行方不明者の全員が救命胴衣を着用しておらず、おぼれたことが原因だった。
発生現場は伊豆半島、三浦半島から湘南にかけての沿岸域や南房総などシュノーケリングポイントに集中。発生場所における県外在住者の事故が7割近くを占めており、事故者の居住地の内訳を見ると、東京が19人(同9人)、神奈川が18人(同13人)、千葉が11人(6人)と続いた。
3管区海の安全推進室によると、シュノーケリングは水面上を漂うように移動して水中の様子を観察するスポーツ。シュノーケルは手軽に入手できる反面、「素潜りやスキンダイビングと勘違いし、使い方を十分に理解していない人が少なくない」(担当者)。知識や技術不足から、遊泳中にシュノーケルや水中マスクに入った水を排出できずにパニックになることが事故の理由の一つに挙げられるとしている。
シュノーケリングをする際は▽救命胴衣で浮力を確保する▽シュノーケルに水が入った場合は中の水を吸わないようにゆっくりと息を吸い、勢いよく息を吐き、水を出す▽水中マスクに水が入った場合は鼻から出す息を使ってマスク内の水を外に出す-などと強調。同室の担当者は「シュノーケリング事故は7、8月が全体の8割近くを占めている。海での安全な遊び方を心掛けてほしい」と話している。
神奈川新聞社
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