世界的サーカス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」で活躍した鉄棒のスペシャリストが、コロナ禍での解雇を経て、地元・群馬からサーカスの裾野を広げる活動を始めた。「沈んでばかりではいられない」と新しい技も披露している。
直径2メートル弱の鉄のリングと一体化して回転する。奥沢秀人さん(40)が帰国後に覚えた「シルホイール」の曲芸だ。「見せるレベルに来た。楽しい」。群馬県桐生市の練習場で話した。
9歳で体操を始め、日本体育大学(東京)に進学して体操漬けの生活を送った。卒業後、体力を生かそうと消防士など少なくとも五つの公務員試験を受けたが、どれも不合格だった。家賃を払えずに帰郷を覚悟した時、カナダ発のシルク・ドゥ・ソレイユが初めて日本で開いたオーディションを「ダメもと」で受けたら、合格した。
道化師が題材の公演「コルテオ」のツアーメンバーとして、四角く並べた鉄棒で最大10人が同時に回転する「トルニック」を演じた。14年間、世界4千回以上のステージに立ち、「最高の日々だった」と振り返る。
奥沢さんらの公演「シルク・ドゥ・ながめ」は16日、群馬県みどり市の「ながめ余興場」で開かれます。4500円。詳細はチケット販売サイト(https://cdo.thebase.in/)へ。
「何ができるか」見つめ直した
しかし、コロナ禍で一昨年春…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル