ジャニーズ事務所から独立した人気グループ「SMAP」の元メンバー3人を出演させないよう、同事務所が民放テレビ局などに圧力をかけた疑いがあることが17日、関係者への取材で分かった。
芸能人と所属事務所の関係をめぐっては、芸能人側に不利な契約が少なくないと言われ、公正取引委員会は近年、企業と雇用契約を結ばずに働く芸能人らフリーランスの労働環境改善に向けた動きを強めてきた。今回のジャニーズ事務所に対する注意について、芸能人の権利保護を訴えてきた弁護士は「芸能界全体で見直す大きなきっかけとなるだろう」と指摘する。
芸能界では、芸能事務所との契約解消後も一定期間芸能活動ができなかったり、芸名が使えなかったりする契約が多く、「業界では事務所優位、タレント不利の契約が蔓延(まんえん)している」(法曹関係者)という。
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公を演じた女優、のん(能年玲奈から改名)さんや、女優の清水富美加(ふみか)さん(千眼美子=せんげんよしこ=さん)ら事務所側との対立が表面化する例も相次いだ。
企業と雇用契約を結ぶ従業員は、労働基準法などの労働法で保護されている。一方、フリーランスの芸能人は企業である芸能事務所側と対等な関係で業務委託契約を結んでおり、独禁法の対象となる。しかし、労働分野への同法の適用はほとんど例がなかった。
公取委の有識者会議は昨年2月、事務所が強い立場を利用して芸能人と不当な契約を結ぶことなどは独禁法違反の恐れがあると指摘。関係団体に自主的な改善を呼びかけていた。
芸能人の権利を守る「日本エンターテイナーライツ協会」共同代表理事の佐藤大和弁護士は「芸能事務所の影響力が大きかったとはいえ、テレビ局側も事務所の意向を忖度(そんたく)していたことが大きな問題だ」と指摘。「公取委が動いたことで、芸能界は確実に変わっていくだろう。テレビ業界を含め、業界全体で見直すべきだ」と話している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース