大きな網を張るジョロウグモ。その一生を追った26分の映像作品を制作するため、5千時間(約208日)を超える映像を撮った。ひとりで編集作業もこなし、完成までに10年かかった。
岡山市中区の写真家、難波由城雄(なんばゆきお)さん(75)は、岡山後楽園や虫をテーマにした写真集を数多く出版してきた。10年ほど前に動画にも興味を持ち始め、その最初の撮影対象としてジョロウグモを選んだ。
撮影場所は後楽園から数キロ離れた郊外の森で、ジョロウグモの誕生から成長、死までを追いかけた。映像作品は、わずか半年ほどしかない命の有りようを観察できる構成になっている。
作品「雅(みやび)なクモ ジョロウグモの一生」は、4月中旬にあった第64回科学技術映像祭(日本科学技術振興財団など主催)で文部科学大臣賞に輝いた。映像祭には計94作品の応募があり、このうち64作品が集まった「教育・教養部門」の中で最優秀に当たる賞だった。受賞作の大半がテレビ番組で、個人の受賞は珍しいという。
作品には、ふだん見ることの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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