スズメのシングルマザーは、つがいで子育てする場合の1羽ずつよりも頻繁にえさやりをし、ひなの平均体重や巣立ちまでの日数にシングルとつがいの差はみられない――。そんな調査結果が、北海道大大学院理学院の修士1年坂本春菜さん(23)の研究でわかった。身近な鳥でありながら生態はまだ分からない部分も多いスズメへの関心が高まりそうだ。
自然史科学専攻の坂本さんらは昨年、北大キャンパス構内に巣箱約150個を設置。3~8月、繁殖がうまくいき、4~6個の卵を産んだ巣15個を追跡調査した。巣をのぞきながら卵がかえった日などを記録するとともに、個体識別できるようできるだけ親鳥を捕獲して血液を採取、足輪を付けて放した。ひなも、ある程度成長した段階で捕獲し血液を採取した。
15個の巣の近くにビデオカメラを固定してえさやりの様子を録画し、親鳥のえさやりの頻度を調べた。つがいでえさやりをしていた巣箱のうちデータが取れた5個では、1羽あたり1時間に8回前後だった。これに対し、一定の時間内にえさやりに来る親鳥が雌1羽だけの巣箱のうちデータが取れた2個では、1時間に25回ほどにのぼった。
つがいでえさやりする巣では、雌雄の頻度は必ずしも同じではなく、どちらかがパートナーの何倍もえさやりする巣もあった。
巣ごとに、ひなの平均体重や巣立ちまでの日数も調べたところ、つがいか片親かによる違いはみられなかった。坂本さんは「片親は給餌(きゅうじ)回数を増やすことで、つがいの場合と同じようにひなを育て、巣立たせることができたのではないか」とみる。「片親、頑張っているなと思いました」
ただ、体重などから算出した親…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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