ストーカー規制法違反の摘発、昨年は過去最多 被害相談、依然多く

吉沢英将

 警察庁は2日、昨年のストーカー事案の状況を発表した。全国の警察がストーカー規制法違反で摘発した件数は1028件で、過去最多を更新。住居侵入といった刑法などでの摘発も1650件と3年連続で増加した。

 被害相談件数は高い水準で推移しており、今年1月にはJR博多駅前の路上でストーカー被害を受けていたとされる女性が刺殺されるなど、凶悪事件に発展するケースも後を絶たない。警察庁は「被害者の安全確保を最優先とした対応を進める」としている。

 警察庁によると、2022年にストーカー規制法で摘発した1028件のうち、21年の法改正で新たに規制対象となったGPS機器の悪用や手紙といった文書の連続送付などでの摘発は計110件だった。

 刑法などで摘発した1650件の罪種別は、住居侵入354件、脅迫210件、迷惑防止条例違反148件の順に多い。殺人に発展したのは1件。三重県四日市市で昨年1月に元交際相手の女性と知人の男性を殺傷したなどとして30代の男=事件後に死亡=が書類送検された。

 ストーカー被害の相談は前年比3・0%減の1万9131件。被害者と加害者がパートナーや交際関係(元を含む)というケースが半分近くの44・2%を占める一方、面識がなかったり、SNSでの書き込みだけで加害者を特定できなかったりする例も18・7%あった。

 このほか、パートナーによる暴力(DV)の相談などの件数は前年比1・8%増の8万4496件で、19年連続で最多を更新した。被害者の73・1%を女性が占める一方、男性の被害も年々増加しており、昨年は26・9%に上った。事件として摘発したのは、のべ8581件。罪種別では、暴行と傷害が大半を占め、傷害致死も1件あった。(吉沢英将)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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