今春に24時間ストライキを実施した千歳相互観光バス(本社・千歳市)は4日、4年ぶりに夏のボーナスを支給する。金額は20万円と多くはないが、非正社員にも正社員と同じ金額が支給される。「同じ職場で働く仲間」として同額の支給にこだわった労組員たちの思いがある。
夏の賞与が支給されるのは社員約130人のうち、入社1年未満の社員などを除いた約110人。そのうち正社員や契約社員、嘱託社員ら約50人には一律20万円を支給し、パートらには10万円~数万円を支給する。
同社では以前は年2、3回賞与が支給されたが、コロナ禍による観光バスの収入減などで経営が悪化。ここ数年は賞与の支給が滞り、2021年は夏も冬も賞与がなかった。
夏の賞与が出るのは19年以来で、沼田聖社長は「コロナ禍で経営が厳しいときも一生懸命やってくれた従業員たちに報いたい。労使関係を良好なものにしていきたいという気持ちもある」と話す。
不正整備の見直しや賃上げなどを求め、労組は4月25日朝から千歳市内を走る路線バスでストを実施。公共交通機関では久しぶりのストで注目された。
団体交渉の中で、労組側は正社員を対象に5千円のベースアップと20万円の夏季賞与を支給する回答を引き出していたが、さらに正社員以外にも賞与を出すように会社側に要求。「非正社員にも支給しなければ48時間ストも辞さない」と労組が迫ったところ、会社側が応じたという。
札幌地域労組千歳相互バス支部の江崎毅支部長は「非正社員も同じ職場で働く仲間。賞与が出ることになったのもストを背景に会社に強く迫れたのが大きかった。激励していただいた地域の皆さんに感謝したい」と話している。(編集委員・堀篭俊材)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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