垣花昌弘
タクシーの乗客がうそ電話詐欺の被害に遭うのを防いだとして、山口県警周南署は24日、周南近鉄タクシー(周南市)の運転手更紗(さらさ)正晃さん(51)に感謝状を贈った。山村寛文署長は「勇気をもって声を掛けていただいた」と感謝した。
更紗さんは1月4日午後7時ごろ、常連客の80代女性を乗せた。インターネットの未納料金が約20万円あり、郵便局で振り込むよう指示されたという。「電話を切るとつながらなくなると言われ、今も相手とつながっている」と聞いて、スマホを代わって電話を切ったあと、周南西幹部交番に連れて行った。
同署によると、女性のスマホに「ご利用料金についてお話ししたいことがあります」とショートメールがあり、電話番号が表示されていたという。
更紗さんによると、女性はふだん夜に外出しないので不審に思いながら迎えに行くと、女性はスマホを握りしめて慌てた様子だったという。「日頃と違う行動なのですごく違和感を覚えた。利用者の4、5割は高齢の方。声を掛けるのは大事だなと思います」
県警によると、昨年の県内のうそ電話詐欺の被害認知件数(暫定値)は107件で被害額は2億5千万円を超える。今回の件を受け、徳山地区タクシー協会は加盟8社の全214台に「電話でお金の話は詐欺」と書かれたステッカーを貼る。清水延隆会長(65)は「ステッカーがあれば乗務員も声を掛けやすい」と話した。(垣花昌弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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