スライド付きドアで侵入被害多発 新築住宅の半数に採用

 勝手口などで使われる、ガラス窓部分が上下にスライドするタイプのドアから侵入されて盗難に遭う事件が、今年に入って相次いでいる。茨城県警は、ドアの鍵に加え、スライド窓部分の鍵も忘れずかけるよう、注意を呼びかけている。

 捜査3課によると、この種の忍び込みや空き巣で現金やカードなどが盗まれる事件は、今年に入ってから5月末まででつくばみらい市や守谷市など県南、県西の9市町で計42件発生。昨年同時期には被害が確認されていなかったが、今年の2月から急増した。つくばエクスプレス(TX)沿線で、築年数の浅い住宅の被害が目立つという。

 このタイプの窓は、換気のためにドアの内鍵をかけたまま窓を開けられる。ただ、外出の際にスライド窓のロックを忘れると、外側から隙間に手を差し入れてドアの鍵を解錠されるおそれがある。5月7日につくば署が発表した、つくば市内の住宅に何者かが侵入し、散弾450発が入ったロッカーと現金16万円などが盗まれた事件も同様の手口だった。

 住宅設備大手LIXIL(リクシル)の担当者によると、スライド窓が付いた勝手口ドアは新築住宅の半数ほどに設置されているという。

 県警のまとめでは、県内の住宅侵入窃盗の認知件数は5月末時点で485件。前年同期比で約25%減っているが、全国でみると人口10万人あたりの件数は16・9件で、福島県に続いてワースト2位。夏場は窓からの侵入が増えるといい、新型コロナ対策などでも窓を開ける機会が多くなることから、外出中や就寝時は窓を閉め、窓の鍵も忘れずにかけるよう注意を呼びかけている。(佐々木凌)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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