仕事を終え、外に出ると、黄色く色づいたイチョウの葉がコンクリートの地面を覆っていた。
見上げると、木にはもう葉がほとんど残っていない。
「ああ、秋が終わったんだ」
スーパーで買い物をして、自宅に帰る。
パックに入った白米をレンジでチンして、納豆をかけ、かき込んだ。
仕事は映像制作をしている。一つの番組を終えれば、また次の番組に向けて走り始める。ロケ、編集、収録のサイクルをつつがなく回すことを求められ、常に締め切りに追われていた。
大きな不満があるわけでない。でも、何かが足りない。
ふと思った。何のために生きているんだろう。
東京都心で働く男性2人が、休日のある日、山の中でスーツを着た。
茶色くなったワイシャツ、やぶけたズボン。よれよれのジャケットを着て、くたびれたネクタイを締めた。
「よし、行くぞ」
ゼロから文明を築く
生きる実感を求めて都心を離れた2人は、現代の道具を一切使わず、ゼロから文明をつくることに挑みます。苦闘を続けるなかで、意外な真実がみえてきました。記事後半で多数の写真ともに紹介します。
都会のサラリーマンが、「週…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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