村上友里
1月の埼玉県戸田市議選で初当選したスーパークレイジー君(本名・西本誠)議員(34)は14日、市内に居住実態がなかったとして当選無効となった処分を不服として、県選挙管理委員会を東京高裁に提訴した。
公職選挙法は地方議員の被選挙権について、区域内に3カ月以上住んでいることを要件にしている。市選管は4月、市内での居住実態がなかったとして当選無効を決定。県選管も今月9日付で議員の不服申し立てを棄却する裁決を行ったため、議員はこの裁決の取り消しを求めて提訴した。
訴状で議員側は、電気、ガスの使用状況や周辺住民への聞き取りに基づいて居住実態はないと判断した県選管の事実認定は誤りだと主張した。議員はアーティスト活動で全国各地を転々としており、「生活の本拠を1カ所に特定するのは非常に困難」とも指摘。「情報化が加速する現代においては、同じ公共団体に住んでいるから居住者の意見を集約できるわけではない」として、公選法の要件自体の違憲性も訴えた。
議員は提訴後の会見で、「やれるところまでやって決定には従う」と語った。県選管は「訴状が届いていないのでコメントできない」とした。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル