厚生労働省の雇用創出事業を委託された兵庫県宍粟(しそう)市の団体「宍粟市雇用創生協議会」が国の委託金を不正受給した疑惑で、協議会側が委託事業の就労セミナーの受講者数を水増しして国に報告した疑いのあることが14日、複数の関係者への取材で分かった。
協議会の会長を務める宍粟市の福元晶三市長は、市の調査で一部の不正を認定したとして、近く協議会を解散する意向を明らかにした。
協議会関係者によると、平成30年12月以降に開催した80回のセミナーのうち、37回で不正の疑いが浮上。セミナー受講者の氏名を別の回のセミナーに流用して受講者数を水増ししたり、架空のセミナー開催を実績として計上したりしたこともあったという。
市内に住む女性は取材に対し、「夫と見学に行っただけなのに受講者として計上された」と説明。協議会のある職員は「セミナー開催を装うため、公民館内で職員が着席して講義を聴く様子を写真撮影させられた」と証言した。
不正の疑いが浮上したセミナーは元神戸市議で協議会事務局長の村岡龍男氏(59)が主に担当しており、兵庫労働局が実態を調査。また、協議会の一部職員は不正の隠蔽(いんぺい)を強いられたとして、強要罪で村岡氏を兵庫県警宍粟署に刑事告訴する方針を示している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース