今春、新型コロナウイルスで自粛ムードが広がったころ、あるタイのテレビドラマがユーチューブで配信されました。男性同士の恋物語を描くボーイズラブ(BL)と呼ばれるジャンルのドラマ「2gether(トゥギャザー)」です。日本でもSNSを通じて口コミで広がり、タイのBLドラマブームのきっかけとなりました。このドラマのプロデューサーで、過去に「ダーク・ブルー・キス」など多くのBL作品も監督したノッパナッ・チャウィモンさんに、オンラインで話を聞きました。
――「2gether」がこれほど人気になると期待していましたか?
「日本の人々に喜んでもらえてうれしいです。東南アジアなどでは、もともとタイのBLドラマはとても人気でしたし、今回は海外の視聴者の獲得を目指して、英語の字幕をつけた動画も同時に配信しました。なので、ある程度は多くの人に見てもらえると思っていました。でも、これほどの人気になるとは、我々の予想をはるかに超えていました。毎週放送があるたびに、普段からBLドラマを見る層だけでなく、より幅広い視聴者層からの反応が増えていきました。(ユーチューブなどを通じて)欧州や米国、南米にもファンが増えていきました。インドネシアなどイスラム教の影響が強く、同性愛に対する偏見が強い国でも人気です」
拡大する「2gether」プロデューサーのノッパナッ・チャウィモンさん
――人気の理由は何でしょうか?
「過度な性表現がなく、普遍的なラブストーリーで親しみやすかったことや、新型コロナウイルスによるロックダウンなどで家にいる人々が増え、ネットドラマの需要が増したことも背景にあるでしょう。そして、主演のワチラウィット・チワアリー(通称ブライト)さんと、メータウィン・オーパッイアムカジョーン(通称ウィン)さんという主演の2人の俳優の間に『化学反応』があったことも一因だと思います」
――タイではBLドラマを撮影す…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル