タラップの奥に探した妹の姿、願った再会かなわず 飯塚繁雄さん

 「妹にもう一度会いたい」という願いはかなわなかった。

 北朝鮮による拉致被害者田口八重子さん(拉致当時22)の兄、飯塚繁雄さん=埼玉県上尾市=が18日、83歳で亡くなった。2007年からは「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の代表も務めながら2人の幼子を残して連れ去られた妹の奪還に尽力した。

 02年9月26日、東京・永田町。記者会見場に並ぶ拉致被害者家族の隅に飯塚さんはいた。

 硬い表情でほおを紅潮させ、一言ずつ、言葉を確かめるように「この場に出るには、かなりの勇気と親戚一同の決断が要りました」と語った。

 公の場で話すのは田口さんの失踪から24年後のことだった。

 失踪後、残された2人の子どもは飯塚さんらが育ててきた。

「身をさらす覚悟できた」語り始めた飯塚さん

 警察当局は田口さんについて…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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