放送直前まで、どう話そうか迷っていた。
4時間ほど前、サッカーのワールドカップ(W杯)で日本がPK戦の末、クロアチアに敗れた。
マイクの向こうには、ラジオを聞きながら慌ただしい朝を過ごす人たちがいる。一日のスタートを少しでも前向きな気持ちで過ごしてほしい。
朝7時、そんな思いで放送ブースに座ったフリーアナウンサーの雫石将克(しずくいしまさかつ)さん(29)は大きく息をつき、意を決して話し始めた。
「最後まで諦めない気持ち、勇気、元気をもらった人、多いんじゃないでしょうか。日本代表の背中を見て、一つのことに取り組む力をもらいましたね」
番組は「さわやかラジオ」。西日本放送(高松市)で40年以上続く看板番組だ。ニュースを交えながら4時間、共演者との軽妙なやりとりが続いた。
だが、音声のみの放送では伝えきれない「秘め事」が、雫石さんにはある。
白いタートルネックに身を包…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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