ダイコクが7.5億円返金へ　コロナ禍で在庫、納入業者に不当に返品

　公正取引委員会は6日、近畿を中心にドラッグストアを展開する「ダイコク」（大阪）から、取引先に対する独占禁止法違反（優越的地位の乱用）の疑いを改善する計画の提出を受け、認定したと発表した。違反認定はしない。ダイコクは不利益を受けた納入業者約80社に計約7億5千万円を返金する見込みという。

　公取委によると、同社は遅くとも2020年3月～22年4月、新型コロナ流行の影響を受けて売れ残った商品を納入業者に不当に返品していた。また、店舗閉鎖の際などに納入業者の従業員らを派遣させていた。

　独禁法は、取引先に対する強い立場を利用して不当に不利益を受け入れさせる行為を「優越的地位の乱用」として禁じている。返品は納入業者の同意を得て行われたケースもあった。だが、公取委は取引上優位な立場にある事業者が、返品により納入業者に生じる損失を負担しない場合は、同意を得ていたとしても優越的地位の乱用として問題となるとの見解を示した。

　ダイコクはコロナの感染拡大…