スキー場が閉鎖されると周辺のチョウも減っていく――。東京農工大学(東京都府中市)の研究チームがそんな調査結果を発表した。ゲレンデが管理されなくなり、雪解け後の草地は森林化が進む。その際に起きる生態系への影響を明らかにした。
オランダの生態学誌(オンライン版)に5月10日付で掲載された。
同大大学院グローバルイノベーション研究院の小池伸介教授(43)らの国際研究チームが2019年、長野県北部周辺のスキー場跡地19カ所と、営業中のスキー場5カ所でチョウの種類や個体数を調べた。
その結果、ヒメシジミなどの草原が主な生息場所のチョウ(草地性種)は13種1573個体、イチモンジセセリなどの人里周辺が主な生息場所のチョウ(荒地性種)は11種316個体、ミドリヒョウモンなどの森林が主な生息場所のチョウ(森林性種)は37種644個体が確認された。
分析すると、営業停止からの年数(1~46年)が長いほど、草地性種と荒地性種の種類と個体数が少なくなった。森林性種は営業停止後の一時期までは増加傾向にあるが、その後は減ることもわかった。
チョウは環境変化のバロメーター
チョウは幼虫時に特定の植物…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル