ツイッターへの投稿に、匿名で「誤解を招く」と指摘できる機能が、日本語版に7月から本格導入された。ツイッター側は、誤情報かどうかの判定の機能とはしていないが、先行導入された米国では「ファクトチェック」というとらえ方も。誤情報を減らすことにつながるのか。(田渕紫織)
「コミュニティノート」の仕組みは
新機能の名前は「コミュニティノート」。一般の応募者から選ばれた「協力者(contributor)」と呼ばれる人たちが、誰かの投稿が「誤解を招く」と判断した場合、補足する情報を添えて指摘できる。
指摘はすぐに目立つ位置で見られる状態になるわけではなく、他の協力者たちから「役に立つ」と評価されれば、元の投稿のすぐ下に表示される。評価についてツイッター側は「多数決で決まるわけではない」とし、「協力者たちの視点の多様性」も考慮するとしている。匿名化されており、誰が指摘したかはわからない。
SNS上では、誤情報が瞬時に広まりやすい。2016年の熊本地震の際は、「動物園からライオンが放たれた」というデマが無関係なライオンの画像とともに投稿され、拡散された。ツイッター側は、リスクの高い誤情報を含む投稿を非表示にするなどの対策を取ってきたが、運営会社(現在はX社)が昨秋、社員を大量解雇し、不適切投稿の監視や削除に支障が出ているとも言われる。
専門家たちはどう評価
JX通信社代表取締役の米重克洋さんは、「デマがいったん広まると既成事実化し、修正する投稿がされても拡散されにくいという課題がずっとあった。今回の機能では、元の投稿の下に注釈のような形で表示されるため、修正としての効果は高い」とみる。
記事後半では、「ファクトチェック・イニシアティブ」理事長による分析や、政治的対立の表れ方、誤情報をめぐる実験をした研究者の見方をお伝えします。
ただ、何を「誤解を招く情報…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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